それは・・・生涯忘れられない恋。
『劇場』
『劇場』は、処女作「火花」で芥川賞を受賞した又吉直樹さんの2作目となる同名小説を映画化したもの。
本来は、4月17日に劇場で公開の予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により3か月の公開延期を余儀なくされ、7月17日より当初の予定より規模を縮小しての劇場公開となり、同時にAmazon Prime Videoにて全世界独占配信となりました。
先日、私はアマゾンプライムで観ました。今なら映画「劇場」がアマゾンプライムで無料で視聴できます。
映画「劇場」のあらすじ
高校からの友人と立ち上げた劇団「おろか」で脚本家兼演出家を担う永田(山﨑)。
しかし、前衛的な作風は上演ごとに酷評され、客足も伸びず、劇団員も永田を見放してしまう。
解散状態の劇団という現実と、演劇に対する理想のはざまで悩む永田は、言いようのない孤独を感じていた。
そんなある日、永田は街で、自分と同じスニーカーを履いている沙希(松岡)を見かけ声をかける。
自分でも驚くほどの積極性で初めて見知らぬ人に声をかける永田。
突然の出来事に沙希は戸惑うが、様子がおかしい永田が放っておけなく一緒に喫茶店に入る。
女優になる夢を抱き上京し、服飾の学校に通っている学生・沙希と永田の恋はこうして始まった。
お金のない永田は沙希の部屋に転がり込み、ふたりは一緒に住み始める。
沙希は自分の夢を重ねるように永田を応援し続け、永田もまた自分を理解し支えてくれる彼女を大切に思いつつも、理想と現実と間を埋めるようにますます演劇に没頭していき―。
夢を叶えることが、君を幸せにすることだと思ってた―
映画「劇場」のキャスト
映画『劇場』のキャスト
・永田役・・・山崎賢人
・沙希役・・・松岡茉優
・野原役・・・寛一郎
・青山役・・・伊藤沙莉
・小峰役・・・井口理
・田所役・・・浅香航大
(敬称略)
スタッフ
・監督・・・行定勲
・原作・・・又吉直樹
・脚本・・・蓬莱竜太
・エグゼクティブプロデューサー・・・坂本直彦
・チーフプロデューサー・・・古賀俊輔
・プロデューサー・・・谷垣和歌子/新野安行
・アシスタントプロデューサー・・・清水理恵
・音楽プロデューサー・・・田井モトヨシ
・キャスティングディレクター・・・杉野剛
・ラインプロデューサー・・・城内政芳
・撮影・・・槇憲治
・照明・・・中村祐樹
・録音・・・伊藤裕規
・美術・・・相馬直樹
・装飾・・・田口貴久
・スタイリスト・・・高山エリ
・ヘアメイクデザイン・・・倉田明美
・編集・・・今井剛
・音響効果・・・岡瀬晶彦
・音楽・・・曽我部恵一
・VFXスーパーバイザー・・・進威志
・スクリプター・・・工藤みずほ
・助監督・・・木ノ本豪
・制作担当・・・鎌田賢一/岡本健志
(敬称略)
映画「劇場」を観た感想
良いとか悪いとか一言で語れない。
賛否両論あると思いますが、私はこの映画の人間描写が好きです。
一番近くにいるのに、空気のように掴めない不安定な愛。
居心地が悪いと感じているのに、主人公永田にはそこが一番の安全な場所であり、自堕落でどうしようもない自分の姿を見せつけられる場所でもあった。逃げても逃げても結局それを求めてしまう。
幼い子供が積み上げた積み木のように今にも崩れ落ちてしまいそうな脆くて危うい2人の感情と、途切れそうで弱弱しくも強い絆の描かれ方が実に切なくて良かったです。
しかし、山崎賢人はやっぱり絵になる俳優です。
どの角度から見ても、どんなに髪がボサボサでも、どんなに汚いくたびれた服を着ていても、どんなに無精ひげを生やしていても・・・もうそれすらおしゃれに見えてしまいます。
完成されたビジュアルが、この物語の主人公永田という人間とは一見ミスマッチなのだけれど、それが逆に観客をその世界に引き連れていってくれるような、完成度の高い作品になっています。
また、恋人を傷つけることでしか、自分の平衡を保てない男の焦りと苛立ちと・・・、歪んでいて、やっていることはどうしようもないクズなのに、そんな男の真面目な強い愛が感じ取れるような映画でした。
ヒロイン役の松岡茉優の演技もうまいなぁ・・・と唸らされるものでした。
序盤、健気で一途な恋心で、恋人永田をあたたかな毛布で包んでいるかのような優しかった愛が、話が進むにつれだんだんと永田の黒くて重い鉛のような愛に逆に呑まれていくようなそんな変化を見事に演じる表現力。
今まで、それほど気にしていなかった女優さんでしたがこの映画を観て、台詞だけに頼らない実力のある女優さんだなと思いました。
感情の表現が下手くそな永田と、永田の屈折した愛に自分を失くしてしまった沙希。2人の不器用な男女の恋模様を、主人公永田がとり憑かれている演劇というものに、うまく絡めて作られた映画でした。
この原作本は読んでないのですが又吉直樹という作家の才能と、改めて行定勲監督の魅せ方に唸らされた映画でした。
まだ観ていない人には、一度は観てほしい作品です。
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映画「劇場」を無料で視聴まとめ
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年払いの会員は1年につき4,900円かかりますが、ひと月あたりに換算すると408円/月になるので、継続して会員になろうかなという方には年払いがお得です。
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おまけ:映画「劇場」の好きなシーン
映画「劇場」での私の好きな1シーンです。
主人公永田(山崎)が、後ろに沙希(松岡)を乗せて自転車をこいでゆく。
不器用な永田が、沙希の心を繋ぎとめるかのように、沙希に語り掛けるように一生懸命話す。
やがて走りながら桜のトンネルをくぐっていく2人。
一番綺麗な桜の満開の時期を過ぎてこれからただ散っていく桜を見上げるかのような沙希の物憂げな目線と、真っ直ぐに自転車をこいでゆく永田の横顔が、2人の気持ちとハラハラと散りゆく桜とリンクしているかのようで切なく悲しく印象的でした。